SOTOCHIKUの境界線

SOTOCHIKU素材であるかどうかの境界について、スタッフに聞かれた。

例えば、パクチー銀行の外壁に張り付けた塗装鉄板。これは海風を受けて、錆が進むことを期待されて設置されたものだ。つまり、最初から意図が介在している。それは、数か月後、取り外されて空間の素材として使用される。そのときに、新しいものに取り換えられるのだ。

しかし、ここで重要なのは、それが一時期でもパクチー銀行の外壁を成していることだ。人々は、その間、環境の一部としてそれに接する。

つまり、社会の中へ入り込む。そこで、時間の作用を受けて、表面を変化させ、時代を記憶する。例えば、その間に雨が多ければ錆は大いに進むだろうし、その間に強い日差しを受ければ塗装の色褪せが激しいだろう。

それをコントロールすることはできない。そのときの環境をぼくら人間も共有している。だれもそれをコントロールできない。

だから、これもSOTOCHIKU素材だ。SOTOCHIKUとは「意図しなかった外部的要因を取り入れた構築」という意味だから。

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