ABCD分析とは
GF久保亜津子が発案したXY座標による人の4つの分類がある。
クライアント、設計者、大家、不動産業者、・・・元々、ぼくらの空間をつくる仕事に関わるステークホルダーを分類することによって、GFの中で仕事をどのように進めていくかを話し合うのに便利なツールとして考案されたものだが、もっと広く応用が利くものだと思う。
詳しく考えていきたい。
先に書いておく必要があるとすれば、これは一人の人間が明確にどこかに固定されるわけではない、ということだ。人には一定の傾向はあったとしても、だれもが多面性を持っていて、ある時はこの分類に属し、ある時は別の分類に属する、ということが必ずある。だから、人のモード分析と言ってもいいくらいだ。
これを前提に、分類図について説明する。
X軸(横軸)は、自分が持っていないものに対する期待度を表す。つまり、左に行けば行くほど、自分が持っているものに期待してコントロールしたいという気持ちが強い。反対に、右に行けば行くほど、他人が自分に持っていないものを持っていると感じたら、徹底して任せる。
Y軸(縦軸)は、個を優先する度合いを表す。つまり、下へ行けば行くほど、全体を優先する。反対に、上へ行けば行くほど、個を優先する、個人主義的傾向が強い。
もうすぐ、東日本大震災から10周年になるが、震災当時世界から称賛を受けた、政府を信じて整然と並ぶ被災者たちは、左下の第3象限に当てはまると思われる。それをAとする。日本には、このAの人たちが多いのかもしれない、と考えたから、まずこの分類を最初に名付けた。
そして、それとは全く反対側に位置する右上の第1象限に当てはまるのは、独自の世界観を持ち、予期せぬことが起こるのをむしろ期待する、冒険を好む人たちで、これをBとした。
このBの人たちには、社長が多い。個、つまり自分の考えで行動を決める人だからだ。ということは、社長タイプには、もうひとつ、左上の第2象限に当てはまるCの人たちがいる。Cの人たちは、がんばって競争に勝ち続けることで生き残っていけると考えつつ、慎重に石橋を叩いて渡る人たちである。
Cの人たちは、がんばる人でもある。だから、疲れてしまうこともある。そんなとき、全く反対側に位置する第4象限のDの人たちが眩しく見えるにちがいない。Dの人たちは、競争なんてせずに、がんばらなくても存在するだけで価値がある、と考えている。ビジネスには一番遠いところにいる人たちかもしれない。だが、自然体であり、分け隔てをしない。
今後、それぞれについて、もっと詳しく書いていく。(20210302)
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