土壁には暗闇がある・・・
ぼくが小さかった頃、熊本の祖父母の家は土壁でできていた
奥の小部屋の土壁は少し崩れて、元々暗かったその部屋の中にさらに漆黒の闇をつくっていた
ぼくは少しの恐怖とともに、その壁にどこか引き寄せられるものを感じていた
今思うと、その壁の割れ目は異世界へ通じているように感じていたのだろう
その壁の向こう側を、ぼくは心の中に描いた
でも、そこで描いたものをつくりたくて空間をつくっているわけではない
正直を言えば、もうほとんど思い出すこともできないのだ
でも、今も壁の向こう側を心に描きたいと思う
心に浮かぶままに任せて・・・
だから、暗闇を空間に持ち込みたい
子供たちの空間であれば、なおさらだ
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