The Art of Tea TOKYO

【能登地震で壊れたモノを未来へ活かすプロジェクト2】


手作業に徹した南部鉄器、茶器、茶葉の店舗空間。茶道文化を確立した利休の時代の空間に学び、SOTOCHIKU空間の創造に徹した。素材は、能登町宇出津からの瓦と木床材、千葉県鋸南町からの梁材と「ペンキのキセキ」鉄板を使用し、さらに入口には被害が甚大な珠洲市正院町の羽黒神社本殿の扉を使用した。まさに魂の宿る素材を使用させていただいた。茶道の魂を伝える空間になっているか?

そして、この空間は能登の人々を元気づける空間になりうるか?

A manga artists room

【能登地震で壊れたモノを未来へ活かすプロジェクト1】

猫の通り道としての空間とは町の空間そのものだ。建物と建物の間には隙間が残り、それが主な猫の通り道になる。機能に従ってモノをつくりながら、むしろ勝手にできあがっていく残される部分こそが気ままに利用されていく自由な空間を目標とした。

能登地震で倒壊した明治元年創業の松波酒造から寄付された瓦や木片からは、酒造りに込められた想いが滲み出してくる。能登の祭りの火柱やキリコを想起させるカタチは負の混沌が広がる被災地の現状がスクラップ&ビルドされることなく正の混沌へと転換する可能性として立ち現れる。

BONBON CLINIC

エレベータを降りた瞬間に正面に広がる地層の壁。そこには能登の黄色い土を溶いて塗りこんだ。自然の源を辿っていくと土に行き着く。もちろんそれは、美しさの源でもある。

ecru

工場の廃墟の美しさは時間という自然が為した美しさだが、
その美しさはその場所でつくる行為がひたすら繰り返されたことによってもたらされたともいえる。ぼくらは白い壁に線を引き、それをまた薄い白で覆う。この行為を最初の描いた線が遠くへ消えていくまで繰り返した。

その壁からは時間を感じられるだろうか?

The canal

西麻布交差点は6000年程前はいくつかの運河が交差する海の底であり、現在も強大で不気味なエネルギーを発し続けている。新しい文化が湧き出るのはそのような場所からだ。2隻の泥舟を浮かべて、その歴史を今に伝える。

SOTOCHIKU showroom&office

表参道にSOTOCHIKUショールームをオープン。ここで「生まれて初めて見るモノ」に出会えることを願ってつくられた。一対一で向かい合えることこそ、心が自由であることだ。そして、ここはGRIDFRAMEのオフィスでもある。ぼくらは、オフィスの一角には必ずこのような「自由になれる空間」が必要だと思っている。

hair&nail HACO+

日本人美容師がロンドンで始めた美容室を世界展開。表参道の地下階の古いコンクリートブロックに囲まれた空間の記憶された時間を新たな空間へ持ち込むことでずっと前からそこに在ったような落ち着きを感じる店舗に。

HANGOUT esports

76年の歴史を持つ文房具販売の会社の新規事業である。戦後まもなく小笠原諸島から蒲田へ移住された先代がこの会社を興して以来、蒲田の文化的な生活向上のために尽くしてこられた、という歴史の上に、このスポーツの最先端の事業がある。その歴史を体感するエリアにSOTOCHIKUの手法を用いた。

WAGAYA Cafe

古い着物を素材としてさまざまな商品をつくる施設にカフェを併設した。着物の帯が川のように、ベンチになったりゲートになったり棚になったりしながら空間を巡る。川の流れをモチーフとして鉄に傷を入れて海辺の町で錆を育てる・・・。

No X9Z STUDIO

写真家・宅間國博さんから「写真と言葉を自由に使用してもよい」という許可をいただいた写真集「ペンキのキセキ」。ぼくたちはSOTOCHIKUに「ペンキのキセキ」と名付けるシリーズをつくりたいと考えた。

club ICON

古いコンクリートの壁に貼られた紙は、剥がされたり破られたりしているうちに、そこにプリントされた被写体は、この世からどんどん遠ざかっていくようだ。それが消えそうになると、むしろぼくらはそこから体温を感じ始める。

STUDIO ZEFF

100年の時を重ねた旧養蚕農家の格子戸(ソトチク素材)が伝えるものに向き合うカウンター。それに対するレスポンスを空間全体に広げていく。藍染めによる特殊塗装で仕上げた壁、クロカワ鉄とソイルセメントのカウンター、・・・。

K HOUSE

中庭を中心とした構成の鉄骨造住宅のリノベーション。穴蔵に住みたいというご要望に対して、天然石を積み上げた原始的な円形壁に囲まれ、ソトチク素材を取り入れた、自分の中の「生きる力」を取り戻す空間をめざした。

STUDIO MARLMARL

暗闇に光が射す。ソトチク素材は暗闇のような存在で、目の前に広がる世界とは別の世界へそれを見つめる人をいざなう。鉄工所の敷鉄板や土壁など要所にソトチク素材を用いて、重層的な時間がつくる壮大な空間を実現。

SOTOCHIKU&89 unLtd.

千葉県安房郡鋸南町にソトチクのショールーム兼カフェ(通称パクチー銀行)。この町はソトチク素材の宝庫であり、朽ちかけた存在に、未来を見つけるという作業が始まっている。

Silk Pudding Kitchen STUDIO

移転前の建物はやがて解体される。その前に、その外壁のタイルを剝がし、新しい場所へ持ち込み、空間づくりの素材として生かす。こうして、記憶は受け継がれていくことができるだろうか?

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