パクチー銀行から2つのスタジオへ

ぼくたちGRIDFRAMEのSOTOCHIKUショールームである鋸南町保田駅前のパクチー銀行は、海まで歩いて2分のすこぶる気持ちのよい場所にあるカフェである。そこは海風の吹く、格好のSOTOCHIKU素材が生まれる場所でもある。

この写真の右側には、海水浴もできる海が広がる

この建物の壁で作業をしているのは、「ペンキのキセキ」プロジェクトの塗装鉄板を取り付けているのだ。

ここでは、「ペンキのキセキ」プロジェクトのプロセスを紹介する。

1.鉄板に塗装を施す

GRIDFRAME墨田工場の床に、鉄板を敷き詰める
第1回は佐治が鉄板18枚に塗装

2.鋸南町・パクチー銀行の壁に取り付ける

パクチー銀行の壁に塗装鉄板を取り付ける
2021年12月28日「ペンキのキセキ」第1回設置完了

3.素材が時間を記憶したら、どこかの空間プロジェクトへ

2022年2月21日芝公園の写真スタジオへ使用されるため、8枚を残して回収される(上の写真と比べて、うっすらと錆が進行している)
2022年4月末竣工 SOTOCHIKU素材として、芝公園STUIDIO MARLMARL 高さ6mの大壁に使用される

→ https://sotochiku.com/projects/studio-marlmarl-shibakoen/

4.新しい塗装鉄板に入れ替わる

2022年12月23日 すっかり錆が進行した第1回塗装鉄板が1段目 三崎・田中が担当した第2回塗装鉄板が2段目・3段目

5.以上のループがずっと繰り返されていく

2023年1月13日 前回は強風のため断念した1段目を設置
3段目の塗装鉄板のディテール 海風が少しずつ時間の跡を残して複雑さを増していく
2023年5月竣工 世田谷区深沢No.X9Z STUDIOの扉は上の素材が回収されて、さらに手を加えられてつくられた
2023年3月24日 現場で新たに塗装が加えられ、第1回鉄板から3つの扉、第2回鉄板から1つの扉が生み出された
世田谷区深沢 No.X9Z STUDIOの4つの扉
「ペンキのキセキ」プロジェクトが数々の空間に奥行を与えている

→ No.X9Z STUDIO

「ペンキのキセキ」プロジェクトの面白い部分は、風雨に晒すことで時間を記憶するSOTOCHIKU素材としてさまざまな空間プロジェクトに活かすことができるのと同時に、建物の外観に設置されている間は町の人や訪れた人がその素材の変化を愉しむことができる、という一石二鳥のところだ。

空間プロジェクトへ使用するためにパクチー銀行から回収したら、また新しい塗装鉄板に交換される。だから、パクチー銀行の外観はずっと愉しく変化し続けることになるのだ。

この動きを少しずつ鋸南町の他の場所へ広げていくことができたら、きっと町の魅力のひとつになれるかもしれない、と夢想している。

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